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2007年 05月 18日 ( 2 )

大前研一ニュースの視点

NTTドコモ
インド・ハチソンエッサーとの契約解消
番号継続制でドコモが一人負け
―――――――――――――――――――――――――――

●ドコモの今後の課題は、根本的な経営姿勢を改めること

7日、NTTドコモは、インドの携帯大手ハチソンエッサー社(Hutchison Essar Ltd)との
「iモード」のライセンス契約を解消したと発表しました。

両社は昨年12月、ドコモがハチソン社にiモードサービスを提供し、2007年末までに開始
することで合意していました。
NTTドコモは今回の契約解消について、「ハチソンエッサー社の事業環境が変化したため
、サービスを提供することが困難と判断した」としています。

しかし、これまでにも、米AT&Tワイヤレスやオランダ最大の通信業者KPNモバイルとも、
iモードのサービス提供が上手く進まなかった事実があります。

私は、今回の契約解消は単なる表層的な事象に過ぎず、根底には、NTTドコモという企業
が持ってしまった“驕り”と“傲慢さ”が原因にあるのではないかと感じています。

業界は違いますが、同じように国内敵なしの状況にあったトヨタ自動車は、その謙虚な
経営姿勢を貫き、 遂には世界のGMを凌駕する存在になりつつあります。
一方、NTTドコモは、今回の提携解消も含め、海外戦略に苦労し続けています。

この差を生んでいるのは、外部要因だけではないでしょう。

企業としての経営姿勢という根本部分に違いがあるからこそ、長期的なスパンで見たとき
には、大きな差となって現れてきているのだと感じます。

●ドコモ2.0は、大きな過失。絶対にやってはならないマーケティング戦略だ

海外におけるiモード展開に足踏みしている間に、磐石だった国内でも、ドコモの地盤が揺る
ぎそうな事態になってきています。

番号ポータビリティ実施後の契約純増数の推移を見てみると、ドコモの一人負けといった
状況になっています。
※「携帯電話3社の契約純増数の推移」チャートを見る
→ http://vil.forcast.jp/c/agtKaguhqsjynPab

さらに、まずいことにドコモの経営陣は、このタイミングで経営者としては絶対にやっては
いけないマーケティング上の重大なミスを犯しました。
それは、今、ドコモが大々的に広告している「ドコモ2.0」という広告です。

『そろそろ反撃してもいいですか?』 のキャッチコピーを見て分かるように、この戦略は
完全に同業他社に反発し、それを打ち負かすことだけを考えたものです。
こういった考え方を、経営学では、「コンペティティブ・リタリエーション(競合反発)」と呼び、
経営者が選んではいけない戦略の1つになっています。

なぜなら、この考え方は、業界収益をなくし、自分も相手も血だらけになるだけという結果を
もたらすからです。
ドコモにしたところで、例外ではないでしょう。
確かに、値引き合戦に持ち込んで、資金による体力勝負になれば、ドコモが勝ち、ソフトバ
ンクが負けるのは自明です。
しかし、「反撃しても、いいですか?」などという挑戦的なキャッチコピーを見れば、消費者は
「値下げするのかな?」と思います。
結果、消費者の買い控えを引き起こす可能性があります。

つまり、大々的な広告は打ったが、買う人はいなかったという最悪の結果につながる
危険性が高いと私は思います。

ドコモが採るべき正しい道は、新しいサービスの開発や今とは違う土俵を、他社に悟られる
ことなく、作ってしまうことだったのです。
競合反発など、最悪の選択だと言わざるを得ません。
もし私がドコモの社長なら、今回の広告を作った人を解雇するでしょう。
それくらい、これは経営の基本に背いた大きな過失だと思います。

事業のタイミングによっては、経営がよくわかっていなくても、企業が大きく成長することは
あります。
しかし、それを継続することはできません。
ドコモには、トヨタをお手本にして、経営の基本を1から学び直してもらいたいと私は思います。

以上

 
by f1wrxgt | 2007-05-18 09:53
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 5月18日(金曜日)  
通巻第1800号  


中国のアキレス腱を鋭利についてきた米国機関投資家
最大の投資信託「フィデリティ」が中国石油株を売却、バフェットも続く構え
********************************

全米最大の投資信託フィデリティは、資産の巧みな運用で知られ近年は中国の株式購入
にも余念がなかった。

スーダンのダルフールの虐殺が露見して、非人道的な措置に国際的な非難を浴びている
が、そのバシル政権に対して、中国が公然と武器を輸出し、残忍な独裁体制を支援し、
あろうことかバシル大統領官邸を建てるとまで言っている。
欧米はスーダンよりも、中国非難の大合唱を再び開始した。

米国議会の108名は連署で中国に警告の書簡を送った。
有力紙「ボストン・グローブ」は社説で、「北京五輪を“ジェノサイド競技会”と呼ぼう」と書いた。
 (同紙と連携する朝日新聞の社説は?)

ハリウッドではリチャード・ギアらが立ち上がり、スピルバーグ監督も北京に警告を発した。
スピルバーグは北京五輪の芸術顧問であるのに!
議会の一部には北京オリンピックのボイコットを訴える声もある。
 (平山画伯、この動きをどう見ますか?)

フランスでは温家宝首相が国会で演説をしたおりに、多くの国会議員が背を向けて立って
いた。
 独裁国家、人権無視の国からきた指導者に“神聖なる国会”の場を貸すとはなにごとか、
という抗議も含まれていた。

日本の国会は温首相の演説に拍手する手合いもいた。欠席して抗議の意をしめしたのは
小泉前首相くらいだった。
米国の議員連盟のように北京に抗議文を送る議員が不在、これでは中国から軽蔑される
のがオチだろう。

さてフィデリティである。同社は世論に敏感である。
保有していた「中国石化」(ペトロチャイナ)の株式の大半を売却した。
スーダンで石油を採掘し、輸入しているのは、この会社である。
フィデリティが保有していたペトロチャイナ株は、じつに11億ドル(香港時価総額)の38%。

投資専門ファンド「バークシャー・ハザウェイ」を率いる「投資の神様」こと、ウォーレン・バフ
ェット(世界最大の資産家のひとり)は、同じくペトロチャイナの保有株を売却する動きを
見せている。
五月五日の株主総会では、「いま儲かっている株式を売却するとは何事か」と反対が多くを
しめたため売却を見送ったが、全米での中国非難が高まる環境では、いつまでの資本の
論理が優先する筈はないだろう。

ブルームバーグ・ニュース(5月17日付け)によれば、中国が新しくスーダンで掘削してい
る石油は貳箇所、一日40万バーレル。
中国石化はハルツームに拠点を置き、マレーシア国営「ペトロダルス」と合弁で、ポート・
オブ・スーダンから1400キロの現場でも20万バーレルを掘り当てたという。
昨年から紅海へ送油を開始している。
by f1wrxgt | 2007-05-18 09:18