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相場と情勢


by f1wrxgt
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イラン核問題の別の側面

http://www.melma.com/backnumber_45206/

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 1月11日(木曜日)  
通巻第1668号  

 石油リッチのイランから石油が枯渇しつつある
  原子力発電をイランが急ぐ本当の理由は油田の先細り
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にわかに信じがたい情報があらわれたのは『インタナショナル・ヘラルド・トリビューン』の
1月9日付けで、この分析をしたのはロジャー・スターンという石油地質学環境学の専門家。
ジョン・ホプキンズ大学で教鞭をとるかたわら、『イラン石油危機と米国の安全保障』という
著作もある。

以下ロジャーに従うと、
(1)イランの石油輸出は2015年までにゼロになる恐れがある。全世界埋蔵の12%を
占めるイランで?

(2)理由は発掘施設の老朽化。現実にイランの石油生産施設における石油生産
は年毎に減少を示している。
ドリルの更新は4-6年の設備投資が必要だが、そうした「科学的根拠」をイランの宗教
指導者が理解できない。

(3)つまり利益を設備更新にまわさないで、国民の福祉など別の方面(たとえば女性が
大量に大学へ進学した)に使ってきたのが主因。そうした失業対策で政治安定をはかった。

(4)国内消費が旺盛なうえ、国内石油価格が安い。 年率6%増加でイランのガソリン消費
が伸びている。

(5)石油収入に国家財政を依拠するイランで石油輸出が減少すれば、政治的不安定が
増大するが、イランの政治は宗教的狂信主義に彩られているため、いま現在の増産体制
への移行はたいそう困難である。

(6)そこで原子力発電を急ピッチで開発することになったが、米国の強い反対により、計画
通りの進行は難しい局面を迎えている。

(7)アザデガン油田開発予定の日本も尻込みを始めており、イラン投資は極めつきにその
魅力を失った。

(8)イランは外部からは目に見えない危機を内包しており、外交圧力などかけずに放置して
おいても、かの宗教的狂信主義による政治は行き詰まるのであり、この時点でイランを攻撃
などすれば、イラン国民を団結させてしまうので、逆効果である。
イランに対しては何もしない、これが米国の最良の選択肢である。

以上がスターズ教授の主張である。
俄には信じがたい。だが米国の専門家はそうみている、ということである。
by f1wrxgt | 2007-01-11 12:31