宮崎メルマガ
2006年 12月 27日
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成18年(2006年) 12月27日(水曜日)
通巻第1654号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
世界最大の三峡ダム、立ち退き農民の悲劇がつづく
一ムー(40mx40m)12000ドルの保証金は800ドルに。残りはどこへ消えたか?
*************************************
重慶に日本のメディアの特派員が一人か二人いるはずである。
彼らは何を見ているのだろう?
ダムに亀裂が入って危険という情報は昨年来、欧米のメディアが何回か報じている。
原因は至極単純。「手抜き工事」である。
セメントほか、建材の誤魔化しが、枢要なダムの基幹部分でも行われ、亀裂が深刻だが、
当局は「修理済み、問題はない」としている。
姉歯? “中国の姉歯”は、日本の100倍規模と考えたら良いだろう。
立ち退きは一説に140万人、公表は113万人。大概が農地を強制的に立ち退かされ、
替わりにアパートをあてがわれたが、それも半分が居住者負担となった。
「強制収容の農地保証金は一ムー(7000平方フィート)あたり12000ドルとされたが、
農民に実際に渡ったのはただの800ドルだった」(ヘラルドトリビューン、12月27日付け)。
立ち退き強制の貧民が結局、ダムの完成に協力し、その工事の手抜きと最大の利権に
群がった党幹部が肥った。
立ち退き農民は、荒れ果てて、水没前の農地で農作物を栽培しているが(非合法だが)、
いずれ水没すれば、生活の目処が立たなくなる。
先週も筆者は、上海の地下鉄や鉄道、バス駅や公園に無数のホームレスを目撃した。
子連れも多い。多くの上海市民は無関心だ。
あの失業の大軍も、大方が強制的に立ち退かされて都会へ流れ込んだ農民である。
中国社会の安静、平穏、調和の実現?
胡錦濤執行部はきょうも寝言を言い続けている。
平成18年(2006年) 12月27日(水曜日)
通巻第1654号
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世界最大の三峡ダム、立ち退き農民の悲劇がつづく
一ムー(40mx40m)12000ドルの保証金は800ドルに。残りはどこへ消えたか?
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重慶に日本のメディアの特派員が一人か二人いるはずである。
彼らは何を見ているのだろう?
ダムに亀裂が入って危険という情報は昨年来、欧米のメディアが何回か報じている。
原因は至極単純。「手抜き工事」である。
セメントほか、建材の誤魔化しが、枢要なダムの基幹部分でも行われ、亀裂が深刻だが、
当局は「修理済み、問題はない」としている。
姉歯? “中国の姉歯”は、日本の100倍規模と考えたら良いだろう。
立ち退きは一説に140万人、公表は113万人。大概が農地を強制的に立ち退かされ、
替わりにアパートをあてがわれたが、それも半分が居住者負担となった。
「強制収容の農地保証金は一ムー(7000平方フィート)あたり12000ドルとされたが、
農民に実際に渡ったのはただの800ドルだった」(ヘラルドトリビューン、12月27日付け)。
立ち退き強制の貧民が結局、ダムの完成に協力し、その工事の手抜きと最大の利権に
群がった党幹部が肥った。
立ち退き農民は、荒れ果てて、水没前の農地で農作物を栽培しているが(非合法だが)、
いずれ水没すれば、生活の目処が立たなくなる。
先週も筆者は、上海の地下鉄や鉄道、バス駅や公園に無数のホームレスを目撃した。
子連れも多い。多くの上海市民は無関心だ。
あの失業の大軍も、大方が強制的に立ち退かされて都会へ流れ込んだ農民である。
中国社会の安静、平穏、調和の実現?
胡錦濤執行部はきょうも寝言を言い続けている。
by f1wrxgt
| 2006-12-27 10:11