相場と情勢


by f1wrxgt
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2007年 03月 25日 ( 1 )

日興がらみ

転載:

今週の「大前研一ニュースの視点」です。

日興コーディアルグループ
東証、上場維持を決定 「組織的、意図的とは言えない」
米シティTOB価格1,700円に
みずほ、全保有株売却へ
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12日、東京証券取引所は不正な利益水増しが発覚した日興コーディアルグループの
株式上場を維持すると発表し、西室社長は 「(不正会計は)組織的、意図的とまではいえ
ない」と述べ、上場廃止基準に該当しないとの見解を示しました。

これを受けて、翌13日、シティグループは、日興コーディアルグループに対するTOB価格
を1株1,350円から1,700円に 引き上げると発表しました。

東証の上場基準に照らしても、同種の事件を起こしたライブドアが上場廃止になった
ケースと比べても、今回の処置には、全く正当な理由を見出すことができません。
西室社長の「組織的、意図的とは言えない」という発言には全く閉口してしまうばかりです。
その上、上場維持の理由として「疑わしいが、証拠集めには限界がある」などと言いだす
始末です。
そんなことを言うなら、始めから調査などしなければ良いとさえ思います。

客観的に判断して、日興コーディアルグループが特別目的会社(SPC)を使って利益だけ
を水増ししていたのは明らかですし、その件についてトップマネジメント及び会計事務所の
関与も明白だと思います。

また、元ライブドア社長の堀江氏に有罪判決が下ったことを利用し、日興の事件には
逮捕者が出ていないことを理由に、ライブドアとは違って上場廃止の基準に抵触しないと
するのは、論理的に飛躍していると言わざるを得ません。

ライブドア、カネボウ、日興コーディアルグループのいずれの粉飾決算も、会社のトップと
会計事務所が関与していたという本質的な構図は同じです。
全く同じ本質を持つ事件なのに、同じルールが適用されないのは、大きな問題です。
極めて当たり前のことですが、ルールは1つであるべきです。

また、今回の日興コーディアルの上場維持への方向展開を見ていると、私たちの関与し
得ない何らかの政治的な力なり、損得勘定なりが裏で働いたのではないかという疑念を
持ってしまいます。

シティグループの動きや各種報道からも、途中までは上場廃止の方向で進んでいたのは
間違ないと思いますが、それが180度の急展開を見せたのは不自然だと感じます。
そういう意味において、今回の処置は納得できないばかりか、何か後味の悪さを感じてしま
います。


●TOB価格1,700円で、シティグループの意思が明らかになった

日興コーディアルグループの上場維持が決定したことを受けて、シティグループがTOB
価格を1,700円に引き上げる動きを見せましたが、これによってようやく、シティグループ
の意思がはっきりと確信できました。

当初、TOB価格1,350円のときには、TOBそのものが手持ちの日興株をみずほフィナン
シャルグループ(以下、みずほFG)に売り抜ける呼び水に過ぎないという可能性を私は
想定していました。
おそらく、みずほFGも、この段階ではシティグループの意図が分からず、同様の不安を抱
いていたと思います。

これは仕方のないことです。

過去の日興株の株価推移から見ても、1,350円という価格では売って儲かる人は
ほとんどいません。
実際、ファンドは売りに出しませんでした。
その状況の中で、シティグループのTOBを信頼するのは危険すぎるというものでしょう。

ですが、1,700円というTOB価格は全く別の意味を持ってきます。
つまり、それはシティグループが本気で日興コーディアルグループを手に入れたいと思って
いるという明確な意思表示になったということです。

※「日興コーディアルグループの株価推移」チャートを見る
→ http://vil.forcast.jp/c/agggagyrqhjygyaf

この状況になれば、シティグループにはみずほFGに持ち株を売りつけようなどという意思は
ないと考えて良いでしょう。
東証が日興コーディアルグループの上場維持を発表した12日時点の終値(1,404円)に
対して約21%のプレミアムを乗せた価格が1,700円ですから、TOB価格としての常識的な
価格とも言えます。

それに、この価格ならば、00年以前の2,000円を超える価格帯で買った人を除けば、ここ
最近5年間で日興株を買った大抵の人たちは売って利益を得ることができるでしょうから、
TOBに応じる可能性が極めて高いと思います。

おそらく、この価格で決着すると思いますが、もし1,700円でTOBが成立しないなら、シティ
グループとしては2,000円近くまで価格を引き上げてでも、TOBを成立させる可能性がある
と私は見ています。

みずほFGとしても、当初は日興コーディアルグループを手に入れたいと思っていたので
しょうが、今回のTOB価格1,700円の意思表示でシティグループが本気であることを悟っ
たのでしょう。
だから、日興コーディアルグループをシティグループに譲る代わりに、アメリカにおいての
提携関係を強化して、協力関係を築くという方針へ転換したのだと思います。

シティグループとしても、今回の日興コーディアルグループの上場維持という事態には
驚いたことと思います。
日本を代表する証券取引所が、曖昧模糊とした、非論理的な理由を盾にして、同じ類の
問題に異なるルールを適用するという暴挙に出たことは、情けない限りです。

金融市場は、今後、一層の改革が求められるでしょう。
東証の将来について、大きな危惧を感じざるを得ません。

以上
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by f1wrxgt | 2007-03-25 19:14