相場と情勢


by f1wrxgt
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宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成18年(2006年)10月20日(金曜日)   
通巻第1590号    10月19日発行
 
*反金正日派の軍人が中国を後ろ盾にクーデターの可能性はどれくらいあるか?
*英紙『サンディ・タイムズ』や豪『ジ・オーストラリアン』が克明なシナリオを提示

まずは下記の談話を。
「金正日王朝の崩壊後、新しく樹立された“親中国派”新政府の要請で、治安維持のために中国人民解放軍が平壌に入るかもしれない」
「ルーマニアで独裁体制を敷いたチャウシェスク政権のように、僅か一晩で政権が転覆することがある。北朝鮮の場合、側近の裏切りによるグーデター崩壊がもっともあり得る。現状を考えれば、親中国派以外の新政権は考えられません」

以上は『サンデー毎日』(10月29日号)によせた筆者の談話である。
この電話インタビューは10月13日だった、と記憶している。相手はサンデー毎日編集部の徳丸威一郎記者(詳細は同誌参照)。

さてオーストラリアの有力紙『ジ・オーストラリアン』(10月16日付け)には「金体制打倒のクーデターを中国が支援する可能性」という大見出しが踊った。
このネタ元は英国の「サンデー・タイムズ」だ。同様になぜかルーマニア各紙が大きく伝えている。

中国共産党高官のあいだでは「平壌の体制変更」が公然と議論されている、との書き出しで始まる前掲紙の記事はつぎのように展開している。
「北京の外交筋は中国国境でラジウム(放射能)反応がでたことを重要視し、米国が精密な偵察衛星の写真や調査データを公表していないにもかかわらず、米国の分析を信頼にたるものと評価している」。

また中国の学術界で公然と「北朝鮮の金体制の幕引きを中国が行え」と呼びかけるサイトも登場、当局は閉鎖命令をだしていない(10月19日現在)。
「中国政府は極め付きの慎重さを示しながら、従来になかった強い態度で臨む(銀行口座凍結、送金中断など)。しかしながら北朝鮮国内にいる親中国派の活動を破壊しない範囲内で、である」

以前から言われたように北朝鮮国内にはふたつの派閥がある。
一つは金正日に忠誠を誓う派閥。
もう一つは「改革開放」を迫る中国に親近感を抱く改革派だ。これを「親中国派」と呼ぶ。

過去三回、クーデター未遂事件が起きた。

1996年、第六野戦軍が体制転覆をはかろうと決起計画、ところが新任の軍司令官が裏切り、一網打尽となり、金正日はガードマンに守られた。

1998年3月12日、金正日は突如、戒厳令を布告した。幾つかの省庁を軍が取り囲み、20人の閣僚レベルをふくむ「反金正日派」が銃殺された。平壌以内で銃撃音が確認された。

1999年10月、第三野戦軍の或る部隊が蜂起した。援助物資の分配に不公平があり、それによって数百万の餓死者がでているのだ、とする不満が昂じた結果だった。
金正日は、89年のルーマニアのチャウシェスク大統領夫妻の処刑ヴィデオを側近に何度も見るように教唆し、しかもKGBとロシア情報筋と通じた反チャウシェスク派のクーデターであったとする総括をしている。(おなじ運命をたどるのではないか?)

それゆえに金正日は、改革開放を望みながらも、うっかりそれに踏み込むと、親中国派が北朝鮮国内で、勢力を得ることを恐れ、警戒し、したがって改革開放に踏み切れないディレンマがある。

となれば、もうひとつのシナリオも浮かんでくる。
北京で優雅な暮らし、きままな遊びに興じている金正男・ぼっちゃま。親中国派の首魁にまつりあげられる可能性も全否定はできないだろう。
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by f1wrxgt | 2006-10-19 14:10